あかびら商店街通信

あかびら商店街通信 vol.7 -「BBヘアーサロン・二谷」さん

こんにちは!
「あかさぽ」のカナです!

炭鉱が大好きな私カナですが、皆さんは歴史のある建物や場所は好きでしょうか!?もちろん私は大好きですが、一般的な観光地の多くが古い歴史がある場所だということを考えると、やっぱり多くの人が歴史を訪ねることが好きなのではないでしょうか。

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北海道の近代の歴史と言えば明治に始まった開拓からと言われているため、日本の多くに現存している明治期以前の建物は北海道にはあまり多くありません。そのため、北海道で歴史と言えば古くて明治か大正時代のものでしょう。
そんな中で赤平の開拓が始まったのが明治24年(1891年)で、茂尻炭鉱が開鉱したのが大正7年(1918年)ですので、農業の歴史が長い北海道の中で産業の歴史が長い赤平市は、北海道の中でも独特な街の雰囲気や建物、歴史を持っていると私は感じています。

そんな赤平の駅前周辺の昭和と言えば、昭和13年(1938年)から平成6年(1994年)まで稼動していた住友赤平炭鉱と共にあったと言っても良いのではないでしょうか。街の多くの商店もこの時期に創業し、今ではその多くが姿を消してしまいました。

今残るお店の多くがこの赤平の街の移り変わりを長く見守ってきた歴史を持っていますが、そんな中に激動のドラマを歩んできた床屋さんがありました。

それが「BBヘアーサロン・二谷」です。

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店長の田村さんは物静かな語り口でとっても優しい方ですが、時折静かな中にとても情熱的な部分を垣間見る方。そんな田村さんが「BBヘアーサロン・二谷」の歴史を教えてくださいました。

創業したのは昭和32年(1957年)、田村さんの奥様のお姉さんが現在の大町で理容所を開店されています。 その後、お姉さんのご結婚により田村さんの師に当たる二谷さんが後継者となり、妹である田村さんの奥様と共に営んでいました。

昭和50年頃、当時はまだ3万人前後は居たのではと田村さんが言っていましたが、赤平市がそこそこ活気があった中、住友地区で店舗を構えていた北川さんという方が店を廃業して札幌へ行かれることになったそうです。そこで当の北川さんは親友でもあった二谷さんに直接話を持ち掛け店を譲る運びとなり、住友支店が開業しました。本店(大町)には田村さんの奥様が、住友支店には二谷さんがそれぞれ独立をして店舗を受け持つことになります。その頃に、田村さんは見習い修行者として住友支店に入店されたそうです。その後7~8年ほど経った後、大町店で田村さんと奥様がご一緒に働き始めたとのことでした。

平成3年(1991年)、諸事情により理容の世界を離れることを決意した田村さんは愛知へ発ち、本店は空店舗となります。ところが平成16年(2004年)、師走の31日。二谷さんが経営する住友の店舗から出火、全焼となってしまいました。原因は一年の感謝を祈念する際、儀式で祭るロウソク!火がついたロウソクが倒れ、棚に引火したのが原因だったそうです。既に仕事を終え出払っていた二谷さんは無事でしたが、悲報を聞いた二谷さんは直ぐさま住友の店へ……。呆然と立ち尽くす姿は痛々しかったそうです。その後、お店は空き店舗になっていた本店に移しています。

そして開業から52年経った平成21年(2009年)、田村さんの師である二谷さんが病のため死去されました。二谷さんが亡くなる年の5月。姪子さんの結婚式に出席するため帰省していた田村さんに対し、二谷さんは涙ながらにこう告げたそうです。「僕の代で終わらせたくない。田村君も大変だろうが!何とか店を継いでくれないか…たのむ」と言い残したそうです。長年のブランクがあった田村さんは悩みました。人口減高齢化が進む赤平へ戻って、果たしてやっていけるだろうか……。しかし、晩年師が遺した言葉がどうしても頭から離れません。意を決した田村さんは、再び理容の世界へ戻ることを決心。師の意思を受け継ぎ現在に至ってます。

田村さんは、兄である二谷さんのお人柄をこのように話されています。「人を恨まず、ひとをとがめず、ただ感謝あるのみ。兄は本当に優しい人でした。誰からにも好かれ愛された兄でしたね。今、自分があるのは師である兄がいたからこそです。」

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このお話を聞いた時、これだけで朝の連続テレビ小説が出来そうだ!と思ってしまいました。人の人生、そしてお店には数々のドラマがあるものですね。本当に激動の歴史でした。もちろん、田村さんにも多くの苦労があったことと思います。現に、今も動き続ける流行をとらえるために研究と技術を磨く努力を続けていらっしゃるそうです。

それも恐らく、田村さんの「凝り性」といった性格から生まれるものではないでしょうか。というのも、田村さんは一度はまるととことんやらなければ気がすまないタイプだそうです。ひとまず、こちらのホームページを見てみてください。

http://nitani.saloon.jp/

こちらは「BBヘアーサロン・二谷」のホームページなのですが、田村さんがご自身で作られたそうです。私は広告代理店に勤めていたものの、専ら印刷物のデザインが専門だったため全然WEBに関しては詳しくないのですが、見た時に「すごい!!」と思いました。赤平市内でしっかりとしたWEBを作っているお店を今まであまり見たことがなかったというのもひとつですが、この出来は趣味の域ではありません!!
なんとお話をうかがうと既に15年ほどのWEB製作の経験があり、デザイナー資格やAdobe社製ソフトで製作とのこと。要するに、ただの趣味ではなく田村さんは本当にプロの方でした!!依頼を受けて製作をされたこともあるそうですので、ホームページの製作を考えている方は一度訪ねてみると良いかと思います!

また、WEBに関してこのように言われています。「定年後にWEB開業と考えていましたが!兄の死で断念…。しかし折角習得した技能(オーサリング、加工、Flash等々)を活用しないで埋もれてしまうのは勿体ないことですから、頃合いを見てフリーランスとしてデビューしたいと考えています。もちろん本業を疎かにせず常に勉強です!」と話されています。このどんな事も突き詰めてやる、というクリエイティブな精神が理容のお仕事にもWEBのお仕事にも繋がっているんだな、と感じています。

またもうひとつ、かなりこだわっていることがあります。それが、オーディオ。

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店舗の隣に隣接している事務所を見せてもらってビックリ。目の前には大きなスピーカーがあり、その周りにはたくさんの機械がならんでいます。よくよく見てみると、全て音楽のプレイヤー!!さらに、レコードやCD、カセットテープなどもたくさんならんでいます。

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よく「趣味は音楽鑑賞です!」という人がいますが(私も困るとそう言っていますが…)、これを見て本当の音楽鑑賞ってこういうもののことを言うんだな…と思ってしまいました。少し聴かせてもらったのですが、曲目は「ベートヴェン:ピアノ・ソナタ第31番、演奏者ウィルヘルム・ケンプ(ピアノ)」というカセットテープだったのですが、それが凄い迫力で実際にピアノを目の当たりにするかのような生々しさを感じました!他にも私の知らなかった「オープンリール」というカセットの大きいようなものもあり、初めて見るそれらのオーディオ類にとっても感激しました!!
田村さんがよく聴くのはクラシックが多いようなので、もしも気になった方は田村さんに尋ねてみてください。希望があれば聴かせてもらえるそうですよ!

この取材で、この街に何気なく建っているように見える建物のひとつひとつ、お店のひとつひとつにきっと壮大なドラマがあったんだろうな…ということに改めて気がつきました。そんな歴史があったお店だからこそ、きっとあの落ち着く雰囲気と優しい田村さんの人柄につながっているんだな、と思っています。

皆さんもカットのことはもちろん、ホームページのこと、音楽のこと、色々なことをお話しに「BBヘアーサロン・二谷」を訪ねてみてくださいね!

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BBヘアーサロン・二谷

【住所】赤平市大町1丁目4番地4
【電話番号】0125-32-2767
【駐車場】店舗裏側に、中央商店街専用パーキングスペース有り(詳しくはお尋ねください)
【営業時間】9:00-18:00
【定休日】日曜・月曜・火曜
【HP】http://nitani.saloon.jp/

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※この情報は2014年8月7日現在の情報です。季節やお店の状況によっては掲載内容と異なる場合がありますので予めご了承ください。
※当ページに掲載されている画像等の無断転載はご遠慮下さい

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